種類について「草履」

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浅草和装履物店 辻屋本店 四代目 富田里枝です。
和装で履く竹皮表やコルク芯の草履から、大量生産のウレタンやビニール製の草履、あるいはカジュアルな洋装につっかけるゴムゾウリまで、鼻緒のある履物が広い意味で「ぞうり」と呼ばれます。

草履の素材

一般的な和装用草履の台は、軽くて加工しやすいコルク材の芯に、布地や革、合成皮革などを巻き付けて作られています。
昭和初期、ドイツやアメリカから革が輸入されるようになり、草履の素材として牛革、爬虫類の革などを使うようになり、戦後になって広く普及しました。

革草履が登場するまで、草履といえば竹皮を編んで重ねたものでした。いわゆる「畳表(たたみおもて)」です。
畳といっても家の中にあるイグサの畳ではなく、竹皮素材。今では男性用の草履、雪駄にしかなかなか見られなくなりましたが、女性用もわずかに流通しています。

最近では石油系工業製品のウレタンやEVA(エチレン酢酸ビニルコポリマー)素材の台も出回っていますが、たいていは製造過程で最初から鼻緒が付けられており、後から挿げ替えや再調整ができない構造です。

本格的和装履物の素材については、辻屋本店ホームページ【豆知識】をご覧ください。
草履・雪駄の素材 https://getaya.jp/knowledge/zori_material/

草履の格と種類(女性用)

和装の場合、TPOによって着物や帯の選び方が異なりますが、履物もそれに準じます。
礼装・準礼装向きには帯地、織り地で仕立てた台や鼻緒、あるいは白・金・銀の革草履。
竹皮表の草履も礼装用の鼻緒を付ければ第一礼装の留袖、婚礼衣装にも合わせられるほど格が高くなります。

台の高さがあるほどフォーマル度が上がると書かれている本もありますが、高さについてあまりこだわらなくてもよいでしょう。
つまり、足元が不安だったり背が高いのを気にしている方がフォーマルだからと無理して高さのある草履を履くことはないということ。

詳しくは辻屋本店ホームページ【豆知識】をご覧ください。
「草履の種類」 https://getaya.jp/knowledge/zori_type/

草履の格と種類(男性用)

男性に関しても、着物の格によって履物が決まります。
第一礼装の黒紋付袴姿は、竹皮畳表の草履(雪駄)に白無地の鼻緒です。
たとえば大相撲千秋楽での表彰式で、授与する協会理事長は黒紋付袴で畳表に白革鼻緒の雪駄を履いています。
あるいは歌舞伎の世界では襲名の際、やはり第一礼装の五つ紋の紋付袴姿で、足元は白革鼻緒の雪駄です。

五つ紋ほど格が高くない準礼装であれば、畳表の草履(雪駄)に鼻緒は白でなくても、淡い鼠色や薄茶、黒など派手過ぎない色の革、印伝や正絹などでよろしいかと思います。
とくに茶道をされる方は、茶席などに出かけられる際に畳表の履物が必要になることがあります。

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